これで分かった!知っているようで難しいドルビーアトモスを分かりやすく解説

タイトル

ドルビーアトモスって何?

ドルビーアトモスと言うワードを耳にすることも増えてきたのではないでしょうか。
映画館でもドルビーアトモスに対応したシアターが増えています。
Netflixなど動画配信サービスでもドルビーアトモスに対応するコンテンツの配信もあります。

ワードは聞いたことがあるけど、そもそもドルビーアトモスって何?
ちゃんと説明できる人は少ないのではないでしょうか。

今回はドルビーアトモスについて分かりやすく解説します。

立体的な音場を体験するイマーシブサウンド

ドルビーアトモスとは立体的な音場を体験できるイマーシブサウンドの代表的な音響フォーマットです。
開発したのはドルビーラボラトリーズ(Dolby Laboratories, Inc.)で、映画、テレビなどの音響記録・再生技術の研究、開発を行う米国・サンフランシスコに本社を構えるグローバル企業です。
ドルビーサラウンド、ドルビーデジタル、ドルビープロロジック、ドルビーアトモスなど映画の音響再生で臨場感を高めるため技術を開発しており、その名は一度は聞いたことがあるでしょう。

さて、開発企業の紹介はここまでとして、ドルビーアトモスについて説明を続けます。

ドルビーアトモスはチャンネルベースではなく、オブジェクトベースの概念で作られた音響フォーマットです。
ざっくり説明しますと、上記のような説明文になります。

が、、、

イマーシブサウンド?
オブジェクトベース??

分かりにくい・・・。

カタカナワードが出てくると一気に分かりにくくなりますので(筆者の場合特に・・・)、カナカナワードもかみ砕いて分かりやすく解説します。
ドルビーアトモスを知るうえで、この2つのワードを理解する必要があります。

イマーシブサウンドとは

まず、ドルビーアトモスの説明で欠かせないワードがイマーシブです。
イマーシブはimmersiveと書き、「没頭」「没入」と言った意味です。
よってイマーシブサウンドとは没入させるようなサウンドと言う意味です。
ドルビーアトモスは没入感溢れる音響フォーマットと言うことになります。
イマーシブサウンドは何となくわかりやすいと思います。

続いて、ちょっと難しいのがオブジェクトベースです。

オブジェクトベースとは

ドルビーアトモスを知るにはオブジェクトベースは避けて通れません。
この概念を理解するためには「チェンネルベース」と「オブジェクトベース」の違いが分かると理解しやすいです。

5.1ch、7.1chなど、複数のスピーカーを水平方向で聴き手を囲むように設置することでサラウンドが完成します。
これはチャンネルベースの概念です。
(参考記事)ホームシアターの5.1、2.1、7.1.4chとは?サラウンドの数字の意味を初心者にも分かりやすく解説

チャンネルベースはあらかじめ音を割り振ってあって、それに忠実に再生されます。
音の担当=スピーカー担当が決まっており、L(左)chからはLchの音が、R(右)chからはRchの音が出ます。
チャンネルベースは音声出力数(チャンネル)がスピーカーにマッチしています。
スピーカー数=音声信号と言うことになります。(勿論ソースによってはマッチしないこともあり得ます。)
スピーカーが増えるほど、実際に音が出ている環境に近づきますが、スピーカーを際限なく増やして設置する訳にはいきません。

そこで新たな概念が「オブジェクトベース」です。
オブジェクトベースは音声をチャンネルに割り当てることは無く、仮想空間の中に音源を配置する概念です。
スピーカーありきから音源ありきへの発想の転換です。
音声に位置情報を持たせ、再生機器がその情報を受け取り、再生するスピーカーや設置位置に合わせてリアルタイムにレンダリングを行って再生します。
シンプルに説明すると、一つ一つの音声に位置情報があり、再生するシステムに応じてその場で変換して最適な状態で再生されるものです。
こんなことができるなんて本当にすごい発想と技術力です。
以上の説明がオブジェクトベースになります。

上部からの立体的なスピーカーがポイント

ドルビーアトモスは立体的な音場を体験できるイマーシブサウンドの代表的な音響フォーマットと書きました。
没入感溢れる音声ですが、そのためのキーポイントとなるのが立体的な音場です。

チャンネルベースのスピーカー配置では平面的な音場です。
平面=2Dです。
例えば5.1chならフロントに左右、センター、後ろ側に左右、サブウーファーの計6本のスピーカーが聴き手を囲みます。

平面音場
5.1chサウンドシステム

一方でドルビーアトモスなどのイマーシブな立体的な音場は頭上方向からの音情報が追加されています。
立体的=3Dです。
X、Yが平面とすると垂直方向のZが加わる=上部方向に音声出力があることになります。

立体音場
7.1.2chサウンドシステム

上部方向からの音が加わることで、雨が上から降ってくるような感覚やヘリコプターが頭上を飛び去るように移動する効果音がこれまで以上にリアリティ高く体感できます。
筆者も初めて聞いた時、頭上から雨が降ってきた感覚は忘れらません。

よって、ドルビーアトモスは天井にスピーカー設置する上部からの音がポイントとなります。

7.1ch?7.1.2ch最後の「.2」が意味するものとは

チャンネルベースのサラウンドでは5.1chや7.1chと表され、5.1chなら6本のスピーカー、7.1chなら8本のスピーカーを配置することになります。

一方で、ドルビーアトモスのイマーシブサウンドは「7.1.2ch」や「7.1.4ch」と表記されます。
この「.2」「.4」は何を意味するかと言いますと、頭上方向(天井など)からのスピーカー数を意味ます。

.2とは

よって、7.1.2は7本のスピーカーに1本のサブウーファー、上部に2本のスピーカーを設置したシステムになります。
「.4」なら4本のスピーカーを上部に設置した状態です。

ドルビーアトモスを手軽に体感

天井にスピーカーを設置となると、正直ハードルは高くなります。
天井に反射させて上部からの音が得られるスピーカーやサウンドバーなどもありますが、もっと手軽にドルビーアトモスを体験する方法があります。
それは映画館です。

現在、ドルビーアトモスが導入されている映画館も増えています。
イオンシネマTOHOシネマズなど、メジャーな劇場でも導入が進んでいますので、身近に体験することができます。
例えば、イオンシネマの場合、ドルビーアトモスが観られる作品が紹介されています。
下記、URLなどでチェックしてみてください。
https://www.aeoncinema.com/atmos/

見たい作品が合えば、ドルビーアトモスの脅威的なサウンドを体感してみてはどうでしょうか。

まとめ

映像も音響もどんどん進化しており、今回は最先端のサウンドフォーマットのドルビーアトモス(DOLBY ATMOS)について解説しました。
なるべく分かりやすく書いたつもりですが、何となくお分かり頂けたと思います・・・。
今回はドルビーアトモスをピックアップしましたが、イマーシブサウンドのフォーマットは、ドルビーアトモス以外にもDTS:XやAuro-3Dがあります。
またの機会に解説したいと思います。

Apple TV+やNetflix、amazonプライム・ビデオなど動画配信サービスや映画館でもドルビーアトモスが採用され、より身近に体験できる環境が進んでいます。
まずは映画館で体感してみるのが最も手軽かもしれません。
きっと、そのサウンドに驚くはずです!

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