プロジェクターの映像位置を縦・横方向に移動できるレンズシフト機能とは?スペックから調整距離を計算してみよう
プロジェクターの投写位置調整がしたい!
プロジェクターのレンズシフト機能をご存じでしょうか。
プロジェクターの設置環境は様々です。
天井から金具で取り付ける天吊りの場合もあれば、台などの上に置いて映像を映すこともあるでしょう。
天井が高いお部屋もあれば、どうしてもこの位置にプロジェクターを置きたいといったケースもあります。
また、プロジェクタ―はスクリーンに対して正面に設置して映像を映す必要があります。
プロジェクターとスクリーンが真正面に向き合うことで、歪むことなく綺麗な映像になりますが、斜めに入るようにプロジェクターを設置すると、映像は歪んでしまいます。
そうはいっても、実際にプロジェクターを設置する環境は本当に様々で、スクリーンのセンターからずれたり、上下方向でも、プロジェクターのオフセット量がスクリーンにマッチしないこともあります。
特に黒マスク付の場合は黒マスクの枠にあわせる必要があり、シビアになります。
(参考記事)どっちを選ぶ?黒マスクありとマスク無しスクリーンの違いとは?それぞれのメリット/デメリットを比較
このように、プロジェクターとスクリーンの設置にはそれぞれセットで考える必要があります。
便利なレンズシフト機能
プロジェクターを固定したまま、映像を上下、左右に動かくことができれば良いのに・・・そんなこと思いますよね。
そう、それを叶えてくれるのが「レンズシフト」です。
レンズシフトはレンズがシフトすることで、映像を上下(垂直方向)、左右(水平方向)に動かくことが出来る機能です。(垂直、水平の片方向だけのプロジェクターもありますし、両方向にシフトできるタイプもあります。)
プロジェクターの設置の自由度を高めてくれます。
映像が歪んだり劣化することもありません。
レンズシフト機能が無ければ、プロジェクタ―若しくは、スクリーンの位置を動かして、映像の位置を調整する必要があります。
レンズシフトはプロジェクタ―本体を動かすことなく、映写位置が調整できる便利な機能です。
スクリーンとプロジェクターを設置した後の微調整には非常にありがたい機能です。
実際どの程度調整可能なの?
便利なレンズシフト機能ですが、では実際の映像はどの程度移動できるのでしょうか。
レンズシフトの機能についてお分かり頂けたかと思います。
でも、どれくらい映像を動かくことができるの?といった疑問が出てきます。
では、どうすればレンズシフトの動く距離が分かるのでしょうか。
プロジェクターのスペック表を見てみましょう。
レンズシフト機能があるプロジェクターでレンズシフトの項目に「垂直50%、水平15%」などと書いてあるかと思います。
レンズシフト量はプロジェクターによって異なるため、一律ででこれだけ動くと言ったことは言えません
%じゃ分からない・・・。
実際のところ何センチ動くの?
知りたいのはそこだと思います。
なぜ、%表記かと言いますと、垂直方向、水平方向の映像の大きさに対して何%動くかということのため、投写する映像の大きさに左右されます。
例えば、レンズシフトの値が垂直方向50%(上下それぞれに)、水平方向15%(左右それぞれに)のスペックのプロジェクターの場合、100インチ(16:9)W(左右)2214mm×H(天地)1245mmでどの程度シフト量があるのか計算してみましょう。
この場合、垂直方向は1245mm×50%=622mm、水平方向は2214mm×15%=332mm動くということになります。
垂直シフトレンズは映像サイズのH寸に対して●%動き、水平シフトレンズは映像サイズのW寸に対して●%動くということで、映像サイズに相対的な値となるため、%で表記しています。
%の表記として、上下左右それぞれに対してのシフト量か、映像全体についてのシフト量なのか、確認しましょう。
また、レンズ芯に対して上側と下側でシフト量が異なるプロジェクターもあります。
※レンズシフト機能は上下、左右の最大値シフトには設定できないなど、製品によっては可動範囲に制限がある場合もありますので、各製品の取り扱い説明書などでご確認ください。
基本的な考えは映像サイズに対しての%分シフトすると言うことになります。
購入前にレンズシフト機能の有無をチェックしよう
レンズシフト機能はすべてのプロジェクターに標準的に付属する機能ではありません。
設置環境でレンズシフトが必要な場合は、レンズシフト機能付きのプロジェクターを選ぶようにしましょう。
機能の有無に加え、レンズシフト量も確認が必要です。
また、一部の業務用の超短焦点プロジェクターを除き、ホームユースの超短焦点プロジェクターにはレンズシフト機能を実装した商品は稀です。(全世界の製品を知っている訳ではありませんが、殆ど無いのでは・・・。)
超短焦点プロジェクターの導入を検討される方はご注意ください。
まとめ
今回はプロジェクターのレンズシフトについてご説明しました。
レンズシフトはプロジェクターの設置性を高める便利な機能です。
台形補正などと違い、画像が劣化することもありません。
レンズシフトが必要な方はプロジェクタ―を選定する際には機能の有無について確認しましょう。