プロジェクターのオフセットとは?打ち込み角度とは?プロジェクター設置で知っておきたいオフセットを解説
そもそもオフセットって何?
プロジェクタ―のオフセット値はスクリーンにプロジェクターを投影する際の大切な要素です。
今回はオフセットについて解説します。
そもそもオフセットとはどのような意味でしょうか。
オフセットとは、埋め合わせ(る)、相殺する(もの)、補う、補正(する)、補正値などの意味を持ちます。
また、ある基準の位置からの距離や差の値を表すこともあります。
では、プロジェクターのオフセットとは何を指すのでしょうか。
今回はプロジェクターのオフセットと打ち込み角度について詳しく解説します。
プロジェクターのオフセットとは
プロジェクターのオフセットとは「オフセット」の意味の通り、ある基準からの距離を指し、具体的には下の図のAに当たる部分を言います。
レンズ芯からプロジェクターが投写する映像の下端までの距離です。
なぜ、プロジェクターが少し上に映像を出すのでしょうか。
それは、設置性を考えてのことです。
(すべてのプロジェクターにオフセットがある訳ではありません。)
天井からプロジェクターをつるす天吊り設置やテーブルの上に置いた場合、レンズの方向にそのまま投影すると、天吊りですと天井と平行して、テーブル置きですと床と平行して映像が映し出されます。
■テーブルなどに置いた場合のイメージ
■天吊りの場合のイメージ
上の図の通り、オフセットが無いと映像の位置が下過ぎたり、上過ぎたりします。
プロジェクターの設置を考えた場合、オフセットがあることで、天井や床から距離を確保して投影することができます。
リビング・テーブルに設置してプロジェクターのレンズ正面に投影した場合、位置が低すぎるでしょう。
また、会社でも机の上に置いてプロジェクターを使用することがあります。
その場合、テーブルと同じ高さ位にプロジェクターからの映像の下端が来ると、どうでしょうか、見えにくいと思います。
オフセットがある=打ち込み角を上向きに設定していることで、丁度良い位置に映像が映し出されます。
打ち込み角が予め設定されているので、プロジェクター本体を傾ける必要がないため、レンズシフトと同様に映像を歪ませることなく(垂直方向の台形補正をすることなく)映像を映し出すことができる。
一方で、プロジェクタ―は様々な用途があるため、ゼロオフセットで使用するケースもあります。(色々な使い方がありますね~)
打ち込み角度とは
先ほど、打ち込み角度が上向きに設定していると書きました。
打ち込み角度とは何でしょうか。
打ち込み角度とは、投写距離とオフセット値から導き出される角度の事です。
もう一度、先ほどの図を見てみましょう。
下の図のθが打ち込み角度となります。
打ち込み角度が大きくなるほど、オフセットの値も大きくなります。
打ち込み角度は三角関数で計算することができます。
ちなみに図のBは「投写距離」です。
例として下記の打ち込み角度を計算してみましょう。
・オフセット値(A):300mm
・投写距離(B):2500mm
これらを上記の公式にあてはめると、
θ=約6.8度になります。
映像を上下に移動できるレンズシフト機能
オフセット値と打ち込み角度についてお分かり頂けたかと思います。
オフセットが固定されているとプロジェクターの設置はシビアになります。
(もちろん、設置できないことはありませんし、調整次第です)
そこで便利な機能がレンズシフトです。
レンズシフトとは、映像を劣化されること無く、レンズを動かすことで映像を上下や左右に移動させる機能です。
この機能を有するプロジェクターなら、プロジェクターの設置性がより高まります。
レンズシフトについては「プロジェクタ―の映像位置を縦・横方向に移動できるレンズシフト機能とは?スペックから調整距離を計算してみよう」で詳しくご紹介していますので、ご覧ください。
レンズシフトが無い場合、斜めに投写させて上向きや下向き(天吊りの場合)に投写させることも可能ですが、斜めにすることで、映像は台形になり、その場合、台形補正等の補正が必要となります。
台形補正は映像を劣化されますので、極力使用しない方が良いでしょう。
まとめ
今回はプロジェクターのオフセット値と打ち込み角度について解説しました。
プロジェクタ―の購入、設置を検討する場合、設置したい環境にプロジェクターがマッチするか、オフセット値はチェックしましょう。
プロジェクターの投写距離表を見れば掲載されています。
また、レンズシフト機能があることで、設置性がより高まりますので、必要に応じて、レンズシフトの有無も要確認です。
オフセット値、レンズシフト機能によりオフセット値がどの程度調整できるか、プロジェクタ―選びのポイントとなります。