1から始めるプロジェクタースクリーンを活用したホームシアターの作り方
ホームシアターを作りたい!
大画面ホームシアターを作りたいけど何から初めて良いかわからないあなたに、プロジェクタースクリーンを活用したホームシアターの作り方を1から簡単にご説明します。
ポイントを抑えてなるべくシンプルに必要な要素をアドバイスします。
ホームシアターを作る部屋を決める
はじめにホームシアターを作るお部屋を決めなければ、先に進みません。
まずは設置場所を決めましょう。
家族みんなで楽しみたい人はリビングシアターを、じっくりと本格的なマイシアターを楽しみたい人は、専用ルームを作るのがポピュラーです。
大画面ホームシアターづくりの第一歩は、「どの様なスタイルで楽しむか?」を決めることです。
スクリーンを設置する場所を決める
外光のコントロールは非常に大切です。
映写用スクリーンはプロジェクターの光を反射するほかに、照明や外光も反射します。
なるべくスクリーンの前面から映像光以外の光が入らないようすることがポイントです。
コントラスト比の高いプロジェクターを選んでも、そのお部屋のスクリーン面の色以上に黒は沈みません。
プロジェクターの映像で黒に見える部分はスクリーンの色なのです。
よって、黒色の深い沈みを再現するためには、光をスクリーン面に当てないことが大切です。
窓など光が入り込む場所にスクリーンの背面を設置したり、遮光性の高いカーテンをつけるなどの配慮が必要です。
ただし、リビングシアターと専用ルームでは目的も異なりますので、お部屋の暗さはそれぞれの目的に左右されるところもあります。
スクリーンの設置方法を決める
スクリーンの設置場所が決まれば、次は設置方法です。
設置場所が見えてくれば、おのずと設置方法も見えてくるでしょう。
スクリーンの設置方法はいくつかの種類があります。
天井や壁に設置する電動巻上式や壁に設置する張込式、床に置いて使用する自立型のフロアスタンドスクリーンなど、様々なタイプがあります。
また、電動巻上式スクリーンの場合は電源の確保が必要です。
電源確保が難しい場合は手動巻上式スクリーンを選定しましょう。
設置方法を工夫することで十分な壁面スペースを確保できない場合でもスクリーンが取り付けられる場合もあります。
リビングシアターでは、テレビとスクリーンを設置する2Wayシアターが人気です。
ニュースやドラマを見るテレビは日常生活として、スクリーンは映画やアニメ、スポーツなど週末の余暇を楽しむシアターとして、それぞれの両立を考えて可能性を検討してみましょう。
(参考記事)
スクリーンの設置方法を知ろう!設置場所や使用頻度に応じてプロジェクタースクリーンを検討しよう
スクリーンのサイズを決める
続いてスクリーンのサイズを検討します。
スピーカーのサイズや配置位置に注意しましょう。
一般的にサウンドスクリーンを使用する場合を除く、フロントスピーカーはスクリーンの左右と下に置きます。
スクリーンのサイズを検討する際は、どのくらいのスピーカーを設置するか、あらかじめ考慮して、十分な設置スペースが確保できるようスクリーンを選定しましょう。
スクリーンサイズの目安
下記はお部屋の広さとスクリーンのサイズの目安です。
・6~8畳のお部屋:80~100型程度
・10~12畳のお部屋:100~120型程度
・16畳以上のお部屋:120型以上~も
(参考記事)
大きいだけではNG!部屋の大きさに合わせたスクリーンを選ぼう!ホームシアターで最適なスクリーンサイズ選びのコツとは
イメージサイズについて
スクリーンの映像が映る面をイメージサイズと言います。
また、スクリーンの縦横のサイズ比をアスペクト比と言い、ホームシアターでは16:9(HD)や2.35:1(シネマスコープ)が使用されます。(16:9が一般的です)
スクリーンサイズ一覧表
サイズ (型) | ||
画面の縦横比が横幅が16、高さ9の比率。DVDやBlu-ray、テレビ(地デジ)、Youtubeなどに採用。ホームシアターによく利用されています。 | ||
W(mm) | H(mm) | |
80 | 1771 | 996 |
85 | 1882 | 1059 |
90 | 1992 | 1121 |
95 | 2104 | 1184 |
100 | 2214 | 1245 |
110 | 2435 | 1370 |
120 | 2657 | 1494 |
130 | 2878 | 1619 |
140 | 3099 | 1743 |
150 | 3321 | 1868 |
200 | 4428 | 2491 |
スクリーンマスク(黒マスク)について
スクリーンの四隅に黒い部分を黒マスクと言います。
また、マスクが無いスクリーン全面が白いマスク無しスクリーンもあります。
黒マスクがあることで目の錯覚により映像が締まり、コントラスト感がアップします。
ホームシアター専用ルームでは黒マスクありのスクリーンを選ばれるケースが多いです。
マスクの有無については、「どっちを選ぶ?黒マスクありとマスク無しスクリーンの違いとは?それぞれのメリット/デメリットを比較」で詳しく解説していますのでご覧ください。
スクリーンの高さ(下端)位置について
スクリーンを選定する際、サイズが気になるところですが、高さ位置も大切な要素です。
視聴位置(目線の高さ)からあまり見上げるようですと疲れます。
これは個人差がありますので、どの程度の高さにスクリーンを留めておきたいか、シミュレーションしてみてください。
推奨値として、目線の高さからイメージの中心の高さが15度以内とされています。(筆者は15°では高いので、もっと水平な感じが好みです。)
スクリーンの下端については「ホームシアターで快適なスクリーンの高さってどれ位?スクリーン下端の算出方法は15°以内がポイント!シミュレーション付きで解説」で詳しく解説しています。
プロジェクターを選ぶ
お好みのプロジェクターが決まっている場合は、プロジェクターのスペック表から投写距離を確認しましょう。
部屋の広さによっては投写距離がマッチしないこともあります。
プロジェクターが決まっていない場合は、プロジェクターの投写距離を確認しながら、解像度と明るさ、専用ルームの場合はコントラスト比に注意してプロジェクターを選定します。
解像度と明るさ(光量)、コントラスト比は数字が高い程良いですが、なるべくバランスの良いプロジェクターを選びましょう。
プロジェクターの解像度はフルHD以上は欲しいところです。
明るさも大切な要素です。
残念なことに格安で販売されている一部のプロジェクターには、明るさを誤認させるような商品説明が見受けられます。
下記の記事も参考にしてください。
(参考記事)
そのプロジェクターの明るさって何?プロジェクターの明るさをANSIルーメンで計測すると驚きの事実が
超短焦点プロジェクターを使用する際の注意点
超短焦点・短焦点プロジェクターは、至近距離からの投写が可能で省スペースでのご利用に優れた利便性の高いプロジェクターです。
一方で、スクリーンに近い距離で投写するために、打ち込み角度が大きくなり、スクリーンの僅かなたるみでも大きな映像のゆがみとして現れてしまいます。
それらを解消するために、超短焦点プロジェクターに対応する平面性の高いスクリーンを選びましょう。
スピーカーを選ぶ
お好みのスピーカーが決まっている場合は、できるだけリスニングポイント(視聴位置)から均等な距離にスピーカーをレイアウトします。
大画面ホームシアターには5.1ch以上のシステムをオーソドックスです。
ステレオスピーカーのフロント左(FL)、フロント右(FR)にセンタースピーカー(C)を前方に、サイド方向にはサラウンド左(SL)とサラウンド右(SR)を配置した構成です。
低音を担当するサブウーファーは通常フロントにおきますが、リビングシアターではボリュームの関係からリスニングポイントの近くに置いてもかまいません。
リビングシアターでは、日常生活とシアターのバランスを考えてスピーカーを選びましょう。
最近ではDolby Atmos(ドルビーアトモス)に代表される、上方向にスピーカーを設置し水平・垂直の両方からの音に包まれるフォーマットも増えてきました。
上部からの音を取り入れた7.1.2chを採用される方も増えています。
ステレオスピーカーのフロント左(FL)、フロント右(FR)にセンタースピーカー(C)を前方に、サイド方向にはサラウンド左(SL)とサラウンド右(SR)、後ろ側にサラウンドバック左(SBL)とサラウンドバック右(SBR)、さらに天井に2台のスピーカーを配置した構成です。
(参考記事)
これで分かった!知っているようで難しいドルビーアトモスを分かりやすく解説
空間デザインを決める
シアター専用ルームでは、良質な映像を見るために、室内は光を吸収する色や素材で統一するのが一般的です。
防音仕様を採用されるお部屋もあります。
また、椅子についても拘りたいポイントです。
映画は2時間程度あり、座り心地は視聴の満足度にもつながります。(筆者はそう思います)
映画館のようなシートも良いでしょうし、ソファーも良いでしょう。
また、リビングシアターでは、お部屋にあわせてスクリーンケースやプロジェクター、スピーカーなどの製品カラーを合わせたり、プロジェクター昇降機を使ってプロジェクター本体を隠したり、カーテンボックスを作ってスクリーン本体を目立たないように工夫したりして日常生活との調和を図ります。
こだわりの詰まったシアター作りを楽しんでみては如何でしょうか。
まとめ
今回は1からホームシアターを作りたい方へ、ホームシアター作りの主な流れを解説しました。
新築時やリフォーム時に一気にホームシアターを導入するもよし、徐々にグレードアップして楽しむもよし、ホームシアターの楽しみ方は人それぞれと思います。
あなただけのマイシアターで週末の大画面ライフをお楽しみください。