【200ルーメン編】プロジェクターの映像チェック!部屋の明るさ別にどのような映像が見えるのか実際に投影して確認

2つ消灯

スペックからは分からないプロジェクターの明るさをチェック

プロジェクター選びで大切なポイントを挙げると、「明るさ」「解像度」「焦点距離」「コントラスト比」などが挙げられます。
その中でも「明るさ」は大変重要です。
特にリビング等、真っ暗にすることが難しい環境でプロジェクターの使用を想定した場合、部屋の明るさによってプロジェクターから投影される映像がどの程度見えるのか、気になるところです。
それにはプロジェクターの明るさも大きく影響し、明るいプロジェクター(ルーメンが高い)ほど、明るくくっきり見えます。(暗い方が黒の表現がしっかりできるため、勿論明る環境は限界がありますが・・・)

そこで、ホームシアターマガジンでは様々なプロジェクターを使用し、部屋の明るさによってプロジェクターの映像がどのように見えるのか、チェックしたいと思います。

オーエスグループは自社プロジェクターを開発し、世界的な4KプロジェクターブランドのOptomaの総代理店を務めていることから、筆者の環境には様々なプロジェクターに恵まれています。
いくつかのプロジェクターを使用して、明るさチェックを紹介していきたいと思いますが、今回、映像チェックとなるトップバッターが200ルーメンのプロジェクターの登場です。
プロジェクタ―選びの参考にどうぞ!

200ルーメンのプロジェクターを映像チェック

プロジェクターの明るさ別に映像チェックと言いましたが、プロジェクタ―には明るさの他に、解像度やコントラスト比などにより映像の見え方も異なります。
あくまで明るさの目安としての映像チェックとご理解ください。

では、映像チェックの前にプロジェクターの明るさについて知っておきましょう。

プロジェクターの明るさについて

プロジェクターの明るさはルーメン(ローマ字表記:lm)と言われ、この数値が高い程、明るいプロジェクターです。
ANSIルーメンという測定法で計測され、プロジェクタ―から投写された面の複数点計測し、明るさの平均を求めて算出されます。
一方、ANSIルーメンの計測ではない方法で発売されているプロジェクターもあります。(大手メーカーは概ねANSIルーメンでしょう。)
残念ながら、異常にルーメン数が高いのに格安で発売されているプロジェクターがありますが、それは光源そのものを計測している機種もあります。

(参考記事)プロジェクターの明るさを表す単位ルーメン(lm)とは?プロジェクター選びで大切な明るさについて知ろう!

今回のチェックで使用するプロジェクターはANSIルーメンで測定されたスペックのプロジェクターを使用します。

200ルーメンのプロジェクターを実際に投写

部屋の明るさとプロジェクターの映像がどのように見えるのか、チェックします。
と言いつつも、部屋の明るさを表現することが難しいです。
「リビング程度の明るさ」や「玄関程度の明るさ」と言っても、人それぞれ主観もあり、正確に表現することは難しいでしょう。

しかし、何か基準は欲しいので、JISの照度基準を用いて、明るさの目安とします。
よって、照度計を用いて、部屋の6か所を測定し、平均値を求めました。
部屋の照明計測の位置によっても異なりますので、厳密性は求めず、目安としてください

蛍光灯の状況

計測した部屋には蛍光灯が2列に3本設置されており、スクリーンから近い順に平行している状態です。
室内の蛍光灯を消したパターンをいくつか試し、プロジェクターの映像を見てみたいと思います。
映像は約80インチで映しています。

蛍光灯を全灯の状態で確認

全ての蛍光灯を点灯している状態で室内の照度を確認したところ423ルクスでした。
一般的な会議室の明るさ程度を目安にしてもらえればと思います。

その状態でプロジェクターから映像を映すと、下の写真のような状況です。

全灯時の映像
全灯時の映像

この状態では映像を見ることは無理でしょう。
明らかな明るさ不足です。

スクリーンから一番近い蛍光灯を消した状態で確認

続いて、スクリーンから一番近い蛍光灯を消した状態で見てみましょう。
6本のうち、4本の蛍光灯が点灯している状態です。

この状態で照度計で計測した部屋の照度平均は288ルクスです。
スクリーンに近い面は蛍光灯を消灯していますので、照度計の数値は低いですが、平均すると288ルクスの値でした。
JISの基準によると、職員室や教室、倉庫内の作業が300ルクス、トイレが200ルクスと定められています。
よって、比較的明るい環境と想像してください。

その状態でプロジェクターから映像を映すと、下の写真のような状況です。

2つ消灯
2つ消灯

この状態でも映像を見るのは非常に厳しいです。
スクリーンの白色がはっきり見えてます。
プロジェクターの映像の黒色はスクリーン面の色となるため、明るめの環境では黒色が締まりません。

スクリーンから近い2列の蛍光灯を消した状態で確認

続いて、スクリーンから近い2列の蛍光灯を消した状態で見てみましょう。
6本のうち、2本の蛍光灯が点灯している状態で、お部屋もうす暗くなります。
この状態で照度計で計測した部屋の照度平均は111ルクスです。
スクリーンに近い側の照度計の値は低い状態になりました。

JISの基準によると、会社の休憩室や家の書斎、玄関、病院などが100ルクスと定められています。
うす暗い環境をイメージしてもらえればと思います。
本を読むことは十分に出来る明るさです。

その状態でプロジェクターから映像を映すと、下の写真のような状況です。

4つ消灯
4つ消灯

映像がだいぶ見えるようになりましたが、映像の明暗の締りと言った部分ではやはり弱いです。
プロジェクターの明るさの要素の他に、黒が締まらない理由は室内の環境が明るいことも大きく影響しています。
綺麗な映像を楽しむためにはもう少し部屋を暗くする必要があります。

すべての蛍光灯を消灯した状態で確認

最後に、全ての蛍光灯を消灯した状態で見てみましょう。

全て消灯
全て消灯

映像はきれいに投影されます。
この映像であればバッチリです。

まとめ

200ルーメンのプロジェクターを投写した様子をご紹介しました。
大変興味深い実験となりました。(個人的には大変面白かったです。)
プロジェクターは暗い所で見るものと思われますが、リビングなどの明るい環境で使用される方も増えています。

200ルーメンのプロジェクターが良い、悪いと言うのではなく、明るさによってどの程度の見え方をするのか、事実としてみて頂ければと思います。

プロジェクタ―を使うユーザーの目的も使用環境も人それぞれです。
だからこそ、使用する目的や環境にマッチするプロジェクター選びの指標になればと思います。

すべてはユーザーのため!

筆者自身、面白い内容でしたので、今後、他の明るさのプロジェクターもチェックしてご紹介したいと思います。
明るさの異なる複数のプロジェクターで比較することも良いですが、今回は部屋の明るさに対してどのような映像に見えるのか、ご紹介しました。
ぜひ、プロジェクター選びの参考にしてください。