スクリーンの画面に白い点が!DLPプロジェクターのチップのドット欠けとは

DLPプロジェクターのドット欠けとは

プロジェクターの構造とDLPプロジェクターとは

プロジェクターの種類には透過型液晶方式プロジェクターとDLP投影方式のDLPプロジェクターがあります。
前者はLCD方式と言われ、後者がDLP方式と言います。

本記事はDLPの方式の解説ではありませんので、液晶方式?DLP方式って何?という方は下記をご覧ください。
(参考記事)
>>透過型液晶方式プロジェクター(LCD)の投影の仕組みと特長をイラスト付きで解説
>>初心者でも分かる!DLPプロジェクターの「DLP投影方式」について分かりやすく解説

DLP方式の映像が映る流れ

さて、今回はDLP方式のプロジェクターで起こるDLPチップのドット欠けの現象について解説します。

ドット欠けによりどのような現象になるか、また、修理や改善する方法にはどのようにすればよいのか。
同様の現象でお困りの方はぜひ参考にしてください。

DLPチップのドット欠けの現象を解説

DLPプロジェクターは光源からの光をDLPチップで受け止めてます。
(上のイラストの通り)

DLPチップにはデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)と呼ばれる、稼働する極小のミラーが敷き詰められており、そのミラーの傾きで光をコントロールします。

DLPチップ
DLPチップ

敷き詰められている極小のミラーの数はプロジェクターの解像度と合致します。
例えば、フルHDの解像度は1,920×1,080ピクセルです。
ドット数は2,073,600になります。
よって、極小ミラーが2,073,600個あることになります。

数センチのDLPチップの中に信じられない数のミラーが存在しています。(ミラーの大きさにも驚きです)
このミラーのドットが欠けることをドット欠けと言います。
多くの場合はミラーが固着して動かない状態になります。

ドット欠けの状態

ミラーが動かなくなると、そのパートを担当している映像(ドット)が欠けます。
映像に空白地帯が発生します。
ミラーがONの状態かOFFの状態かいずれかの位置で動かなくなることで、白や黒の点として映像に現れます。

小さな点とはいえ、ドットが欠けると、非常に目立ちます。
下の写真を見てください。

ドット欠けの状態
赤丸の部分がDLPチップのミラーが欠けた部分(ドット欠け)

ドット欠けが起こると、このように真っ白な空白部分が発生します。
明瞭な白い点です。

ドット欠けを直す方法

修理するにはDLPチップを交換するしかありません。
DLPチップは精密部品です。
ミラーの動きは1秒間に何千回というスピードで切り替えられており、信じられないほどの超高速で稼働しています。
やはり不具合を起こすことがあります。

ユーザーでチップ自体を直すことは不可能で、交換になります。
ドット欠けであれば、交換すれば現象は収まるでしょう。

DLPチップの交換はプロジェクターの購入店やメーカーに相談してください。
しっかり修理対応できるメーカーを選ぶことがプロジェクター選びでは大切です。
(参考記事)ビジネスプロジェクターの選定ポイント

以前、映像に白い模様が映ることを紹介しました。
プロジェクターの映像に白い玉模様が!これは何?原因と対処法について

この模様は映像に埃や塵が映り込んだものです。
この場合はうっすらとした感じで、ボワンと映像に現れます。

一方で、ドット欠けの場合は、明瞭に欠けた部分が映ります。
埃のように不明瞭な映り方をしません。
見分けがつくでしょう。

まとめ

DLPプロジェクターで発生するDLPチップのドット欠けについて解説しました。
DLPチップはプロジェクターを構成する部品の一つです。

ドット欠けかなと思われた場合は、メーカーや販売店に不具合時の映像の写真と共に相談するのが良いでしょう。
ドット欠けの場合は分かりやすい現象として現れますので、写真があることで修理相談もスムーズでしょう。