レーザープロジェクターの光源寿命は2万時間以上!壊れない?光源寿命と製品寿命について

プロジェクターの光源について

プロジェクターの光源には半導体レーザーを使用した「レーザー光源」、水銀を利用した「ランプ光源」「LED光源」などがあります。
レーザー光源ランプ光源の違いや、それぞれのメリットやデメリット、特長については以前、「プロジェクターの光源比較、レーザーと水銀ランプの違いとは?特長、メリット・デメリットをご紹介」の記事で紹介していますので、まずは光源の違いとは何?という方はそちらをご覧いただき、本記事をお読みください。

一般的に光源の寿命は、レーザー光源(長い)>ランプ光源(短い)です。

圧倒的にレーザー光源の方が光源寿命は長いです。
これだけを聞くと、レーザープロジェクターの方が優れていて壊れ難いと思われるかもしれません。
それが落とし穴で、光源寿命=製品寿命ではありません。

今回はプロジェクターの光源の違いによる経済的メリットと選定の目安について解説したいと思います。

ランプ交換が必要なランプ光源と光源メンテが不要なレーザー光源

プロジェクターの仕様(スペック)表を見ると、「光源寿命」や「ランプ寿命」などと表記されています。
それが光源の寿命を指します。

4,000時間や15,000時間、20,000時間などと記載されていると思います。

光源による光源寿命の違い

冒頭でも書きましたが、光源寿命の長さは「レーザー光源>ランプ光源」です。
ランプ光源の多くは数千時間です(3,000時間や5,000時間など)
一方でレーザー光源の場合、20,000時間以上の製品も多く、1日2時間毎日使用しても、計算上は10,000日以上も使用できることになります。(そんなに使えるのか・・・)
例えば、Optomaの超短焦点レーザープロジェクターZU500USTの光源寿命は30,000時間です。

単純にスペック表の光源寿命を見比べると、確かにレーザー光源が圧倒的に寿命が長く、ランプメンテも不要で、光源が壊れ難いと、いいことづくめのように思います。
(※ランプ光源は水銀を使用しているなどと言った別のデメリットは除きます。今回は光源の寿命についてスポットを当てています。)

例えば、光源寿命4,000時間のランププロジェクターと20,000時間のレーザープロジェクターを比較すると、その差は歴然。

例)4,000時間と20,000時間の比較

1日3時間、毎日使用した場合(計算上です)、
4,000時間:1,333日(3.6年)→2~3年程度でランプ交換
20,000時間:6,666日(18年)→光源メンテナンスは不要(買い替えまで不要でしょう)

因みにプロジェクターの映像モードも変えれば、電源のON/OFFもありますので、スペック表通りの寿命になることはなく、あくまで目安です。

この光源寿命の長さがちょっとした誤解を生みます
この比較は光源の寿命だけの比較です。

光源寿命≠プロジェクター寿命

ランプとレーザーの光源寿命を比べると、計算上は先述の通りになりますが、プロジェクターを構成する部品は光源だけではありません
DLPプロジェクターの場合、DMPチップもあれば、カラーホイール、ファン、各種センサー、パワーサプライなど、様々な部品から成り立ちます。
これらの部品の寿命が光源寿命ほど持つことはないでしょう。(壊れないこともあるでしょう)
毎日使い続けて18年間もの間、どこか不具合がでてもおかしくありません。

よって、レーザー光源の寿命が来る前にプロジェクターのどこかに不具合が生じることが考えられます。
それはランプ光源のプロジェクターも同じです。

コストについて

レーザー光源であれば、ランプ交換のメンテナンス費、ランプの部品費などを考えますと運用面のコストは抑えることができます。
高い天井に設置してあるプロジェクターなどの場合、取り外すだけでも一苦労です。
光源メンテナンスが不要なことは大きなメリットとなります。
また、ランプ光源は熱を発するため、レーザー光源の方が機器的には良い面もあります。

しかし、最初の購入時の費用を考えますと、一般的にレーザープロジェクターの方が割高です。
ランププロジェクターの方が安価です。
5年間で1回のランプ交換をするサイクルであれば、ランプ光源のプロジェクターの方がコストを抑えることができるでしょう。(単純な機器と部品の費用として)

昨今のトレンドはレーザー光源です。
しかし、ランプ光源のプロジェクターも各社から発売されています。
使用頻度や設置場所、用途などからプロジェクター選びを検討することが大切と思います。
そして、光源寿命と製品寿命は異なることを知っておきましょう。

まとめ

レーザープロジェクターとランププロジェクターの選ぶ目安で最後のまとめにしたいと思います。

【ランププロジェクター向き】
・ランプ交換になっても問題ない。(高い天井などでない)
・なるべく購入コストを抑えたい。
・使用頻度が連続的でなく、毎日使用することはない。(頻度が少なめ)

【レーザープロジェクター向き】
・ビジネス用途ではレーザーがおすすめ。(ランプ切れなどなく安定した稼働を求めたい)
・比較的使用頻度が高い。
・ランプ交換のメンテナンスを行いたくない。
・サイネージなどの連続稼働、ポートレート投写などを行いたい。

ホームシアターマガジン編集部