プロジェクターを常設しない!複数の会議室で持ち回りで使用するのに最適なプロジェクターの選び方

収納バッグに入ったプロジェクター

プロジェクターの設置方法

プロジェクタ―の設置方法で真っ先に思い浮かぶのが天井から吊下げる天吊り設置。
プロジェクタ―天吊り金具を使用してスクリーンに投影するため、プロジェクターとスクリーンは常に固定された状態で設置されます。
中~大会議室やホール、ミュージアム、学校教室など様々なシーンで設置される方法です。

天井に常設のプロジェクター
天井に常設されたプロジェクター

一方、天吊りとは異なり、テーブルなどに置いて使用することもできます。
天井や壁に常設設置をすることなく、どこかから持ってきて、置いて使用する方法です。

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テーブルに置いて使用したイメージ

数名程度の小会議室~中規模会議室などでは、会社の共有機器として持ち回りでプロジェクターを使用することも多いのではないでしょうか。
会議室が複数あって、毎回プロジェクターを使用することもないし、たまに使いたい・・・、しかし、全ての部屋にプロジェクターを設置するコストは捻出できない・・・。
そんな時に活躍するのが1台のプロジェクターを複数のお部屋で使いまわそうと言う運用法です。

そんな持ち回りで使用するプロジェクターにも選定のポイントがあります。
大きくて重たいプロジェクターは持ち回りには向きません。
明るさも重要なポイントのひとつです。

今回は持ち回りで使用することを想定したプロジェクターの選び方について解説したいと思います。
会社でプロジェクター選びを任されたけど、よくわからない・・・、複数の会議室で持ち回りたいけど、どのようなプロジェクターがオススメ?そんな悩みを解決します。

持ち回りで複数のお部屋でプロジェクターを使用したい!

まず、持ち回りで使用するプロジェクターの使用シーンを考慮する必要があります。
ポイントとなるのが以下です。

・プロジェクターの重量
・プロジェクターの明るさ
・焦点距離
・光源

これらを考慮することで、持ち回り用途にぴったりなプロジェクターを選定することが出来るはずです!
会議を効率的に進行できるようになるでしょう。

プロジェクターの重さ

持ち運ぶためには軽量であればあるほどありがたいです。
一方でコンパクトなモバイルタイプのプロジェクターを選ぶと、明るさが足りないかもしれません。
その辺を総合的に考慮する必要があります。

最近のプロジェクターは軽量化も進み、明るさも確保された製品も多く発売されています。
手軽に持ち運んで使用することを考えますと、5Kg以下のプロジェクターが目安になるでしょう。(あまり重すぎると使い勝手が悪いです。)

収納バッグ付きのプロジェクターなら、使い勝手が非常に良くなります。

プロジェクタ―収納バッグ
収納バッグがあると持ち運びにも便利です。
収納バッグに入ったプロジェクター
しっかりバッグに収納できます。

プロジェクターの明るさ

プロジェクターの光

明るさはプロジェクター選定で最も重要な要素のひとつです。
(参考記事)プロジェクターの明るさを比較!600ルーメンと3000ルーメンの2台のプロジェクターを実際に投写、映像の見え方の違いとは

プロジェクターの明るさの単位はルーメン(lm)で、数値が大きい程明るいプロジェクターになります。
ANSIルーメンで計測されたプロジェクターを選ぶようにしましょう。

特に会議では手元の資料を見たり、ノートにメモ書きしたり、パソコンを使用することもあります。
そのようなシーンで、真っ暗な環境は作り出せません。
よって、ある程度の明るさのプロジェクターを選ぶ必要があります。

投影したいサイズによりますが、3000ルーメン以上のプロジェクターがおすすめです。
低いルーメンのプロジェクターでは会議における大画面映像は厳しいでしょう。

焦点距離

焦点距離については用途によって異なるため、絶対にこれにしなければならないと言ったことはありませんが、超短焦点タイプのプロジェクターは非常に使い勝手が良いです。
超短焦点プロジェクターは焦点距離が極端に短く、100インチの大画面でも投影面から25センチ程度の距離で映すことができます。
会議室の白壁などの前に置くだけで簡単にセッティング可能です。

スチールパーテーションなどがあれば、マグネット式スクリーンなどをセットにして使うのも良いでしょう。

短焦点プロジェクターで投写
スチールパーテーションにマグネット式スクリーンを貼り付けて、短焦点プロジェクターを投影

会議室が狭い程、焦点距離の短い超短焦点プロジェクターが活躍します。
部屋のサイズ感や用途に合わせて、超短焦点プロジェクターも選択肢の一つとしてお考えください。

光源について

光源についてもオススメがあります。
持ち回りで使用するならば、ずばり「レーザー光源」が圧倒的に便利です。

光源には水銀ランプを使用したランプ光源と半導体レーザーを使用したレーザー光源などがあります。
それぞれの違いやメリット・デメリットについては「プロジェクターの光源比較、レーザーと水銀ランプの違いとは?特長、メリット・デメリットをご紹介」の記事をご覧ください。

レーザー光源は光源寿命が圧倒的に長いといったメリットがありますが、会議で持ち回りの場合の優位性はなんといっても起動の早さとシャットダウン時の早さです

まず、起動の早さですが、レーザー光源であれば電源をONにしてすぐに起動し、安定した明るさが確保されます。
一方、ランプ光源の場合、安定した明るい映像になるまで時間がかかります。
会議を始めたいのに、ちょっと間延び感が生じるかもしれません・・・。

また、シャットダウン時もレーザー光源は電源をOFFにして、すぐに持ち運びもできます。
電源ケーブルを外すことができます。

ランプ光源の場合は冷却ファンが作動し、冷やす必要がありますので、レーザー光源のようにクイックなシャットダウンとはいきません。

ちょっとした差ではありますが、運用しているとこの利便性は大きいです!

じゃぁ、レーザー光源を選べばいいのね!ってなる訳ですが、レーザー光源のプロジェクターはランプ光源のプロジェクターと比べてコスト高なんです・・・。
予算もあると思いますので、その辺を考慮して光源をお選びください。(どちらの光源でも会議で映像を映し出すことだけを鑑みれば大きな違いはりません。)

スクリーンはどうする?

プロジェクターは持ち回りで使用する場合、スクリーンも持ち回りで運用することが想定されます。
その場合は、持ち運びが可能なスクリーンを用意すると良いでしょう。

床に置いて使用するフロアスタンドタイプのスクリーンや先ほども述べましたが、スチールパーテーションに貼り付けることができるマグネット式スクリーン等は、持ち運びが可能です。
その他、掛け軸のようにかけて使用するスクリーンもあります。
(参考記事)
持ち運びが出来るスクリーンは便利!会社でスクリーン選びに悩んだ時に!モバイルタイプのビジネス用スクリーンの選定ポイントとは

オフィスや会議室で手軽に大画面会議!スチールパーテーションがスクリーンに早変わり!マグネットタイプのスクリーンが便利

スクリーンの設置方法を知ろう!設置場所や使用頻度に応じてプロジェクタースクリーンを検討しよう

フロアスタンドスクリーン
フロアスタンドタイプのスクリーン

白壁でも良いの?と言うご質問もあります。
スクリーンの方が断然シャープな映像を映し出すため、例えばエクセルの罫線やグラフ、パワーポイントを映し出す際は、壁のクロスの凹凸の影響も受けないスクリーンが望ましいです。
ただ、白壁でも映像は映りますので、映像のクオリティを求めないのであれば、ユーザーの用途に応じて白壁の使用もありでしょう。(壁やクロスの材質に影響されるかと・・・)

まとめ

複数の会議室を持ち回りで使用することを想定したプロジェクターの選び方を総括しますと、「可能な限り軽いこと」「明るいこと」「超短焦点タイプ」「レーザー光源」がポイントになります。

より具体的に言いますと、「5Kg以下で、明るさは3000ルーメン以上のレーザー超短焦点プロジェクター」が第一候補と言うことになります。
これを選択すれば、複数の会議室で使用するシーンでは問題なく使用できるでしょう。

ただし、レーザー光源はコスト高になりますので、予算との兼ね合いを考慮しランプ光源の選択もあります。
また、焦点距離は用途に応じて、必ずしも超短焦点プロジェクターである必要はありません。
用途や使用する場所に応じて、最適なプロジェクターを選んでください。