プロジェクターの投写距離とは?超短焦点、短焦点、標準の3台の異なるプロジェクターで投写距離を比較

プロジェクターの投写距離とは

プロジェクターの仕様表(スペック表)を見ると、投写距離があります。
例えば、OptomaのプロジェクターUHD55の仕様表を見ると、下記のように記載されています。

投写距離:1.2m(34.1型)~8.1m(302.4型)

これの意味することは、最小画面サイズで1.2mの投写距離(プロジェクター~スクリーン面までの距離)で34.1型の画面サイズが映すことができ、8.1mの投写距離で302.4型の最大画面サイズが映せることを言います。

図に示すと下が投写距離です。

UHD55の投写距離から標準レンズのプロジェクターと言うことが分かります。

投写距離はプロジェクターを使用する場所にマッチするかどうか、導入前にチェックする必要があります。
投写距離だけで考えますと、超短焦点プロジェクターであれば、どのような場所にもマッチするでしょう。
一方で、標準レンズのプロジェクターでは、投写距離が長くなるため、照明の影響を受けたり、部屋が狭い場合、思ったような大きさの映像が映せないといった課題が出てきます。(ズームレンズ搭載であれば調整はできます。)
そのようなことから投写距離はとっても大切です。

プロジェクターは投写距離が長くなるほど、画面サイズを大きくすることが出来ます。
では、距離を離すほど、画面が大きくできるのかといと、そうではなく、投写距離に比例して映像が暗くなりますので、仕様表に投写距離が明記されている訳です。
(参考記事)プロジェクターの映像サイズと明るさの関係について知ろう!大きい映像ほど暗くなる理由とは!?

明るさだけではなく、フォーカスがしっかりと合う範囲など、総合的に見て投写距離が決められています。

投写距離がどういうものかお分かり頂いたところで、プロジェクターのタイプ別に投写距離が異なることをご説明しましょう。

プロジェクターのタイプによって異なる投写距離

プロジェクターのタイプによって投写距離が異なります。
投写距離により、大きく分けて3つに分けられます。
超広角レンズを使用した超短焦点タイプ、広角レンズの短焦点タイプ、標準レンズの標準タイプがあります。

超短焦点タイプは焦点距離が極端に短く、使い勝手が良い反面、使用には制限もあります。
制限と言ったら大袈裟ですが、超広角レンズのため、投写面の高い平面性が求められます。
下記の記事を参考にしてください。
(参考記事)知らないと後悔!こんなはずじゃなかった!失敗しない超短焦点プロジェクター使用時のスクリーンを選ぶ際の注意点とは

標準タイプと超短焦点タイプの中間に短焦点タイプがあります。
投写距離は短めで、使い勝手が良いプロジェクターです。

では、具体的な違いを見てみましょう。

投写距離の具体的な違い

例として下記の3台のOptomaプロジェクターで投写距離を比較するとしてみましょう。

(1)超短焦点タイプ:P1
0.172m(85型)~0.369m(120型)

(2)短焦点タイプ:GT1080HDR
0.41m(37型)~3.31m(300型)

(3)標準タイプ:ZU506T
1.09m(36型)~9.03m(300型)

上記のスペックを見て頂くと分かる通り、超短焦点タイプは超広角レンズを使用しているため、小さい画面サイズは映像のフォーカスが合わないといったことがありますので、他のタイプと比べてサイズに制限が生じます。
また、上限のサイズが120型となっている通り、大きなサイズにも制限があります。
投写距離だけで見ると、短焦点タイプは万能選手のようなイメージです。
ただし、超短焦点プロジェクター程では無いにしても、平面性の高いスクリーンが求められます。
超短焦点タイプの投写距離が極端に短いのが分かると思います。

動画で比較

文字だけで比較しても良く分からないので、投写距離がどの程度違うのか、動画で比較しましたので、下記をご覧ください。
今回の例で挙げてます3台のプロジェクターで比較しています。

文字で投写距離の比較と言われてもピンとこなかった思いますが、動画を見ると一目瞭然ではないでしょうか。

映像は100インチで映しています。
100インチの投写距離は、超短焦点タイプ(P1):約25cm、短焦点タイプ(GT1080HDR):110cm、標準タイプ(ZU506T):4.8mです。
この違い、凄いですね~。
超短焦点プロジェクターのすごさもわかると思いますが、超短焦点プロジェクターが一番優れているのかと言うわけではなく、用途に合わせてプロジェクターを選ぶ必要があります。
プロジェクターの選定には「明るさ」「投写距離」「解像度」「光源」等、様々な要素があり、投写距離はその要素のひとつにすぎません。

まとめ

プロジェクターの投写距離についてご紹介しました。
超短焦点、短焦点、標準とタイプ別に投写距離が異なり、動画を見て頂ければ、その違いは一目瞭然だったと思います。

投写距離はプロジェクター選びで大切な要素のひとつです。
用途に合わせてご選定ください。

ホームシアターマガジン編集部