プロジェクターの光源比較、レーザーと水銀ランプの違いとは?特長、メリット・デメリットをご紹介
プロジェクターの光源の種類
プロジェクターの光源には半導体レーザーを使用した「レーザー光源」、水銀を利用した「ランプ光源」「LED光源」などがあります。
それぞれ使用している光源により違いがありますが、今回はプロジェクターの多くの製品で採用されているレーザー光源とランプ光源の違いや、それぞれのメリット・デメリット、特長について詳しくご紹介します。
レーザー光源とランプ光源を比較
レーザー光源は半導体レーザーを使用しており、ランプ光源と比べて高輝度化が可能で、光源寿命が長くランプ交換は不要、メンテナンス性に優れ、ランプに比べ熱の発生が抑えられるといった特長があります。
いいことづくめのようなレーザー光源。
一方でランプ光源は水銀を使用した超高圧水銀ランプを搭載し、プロジェクターのスタンダードな光源です。
現在でも多くのプロジェクターで採用されています。
さて、それらを比較してみましょう。
光源寿命とランプ交換のメンテナンスコストについて
まず、機能性で一番大きな違いは、光源の寿命です。
レーザー光源は約20000時間程度は交換が不要の製品が多く、ランプ光源のプロジェクターのように定期的なランプ交換は必要ありません。
ランプ光源の場合、ランプ寿命が3000時間程度のプロジェクター製品が多く、光源寿命の差は歴然です。
ランプ交換には、部品代で1万円~3万円程度かかるため、どうしてもランニングコストがかかってしまいます。
(製品によりまちまちですが、ちょっとお高い・・・)
ランプのメンテナンスコストを比較すると、レーザー光源に優位性があります。
また、ランプ光源は使用時間が長くなればなるほど明るさが落ちてきます(要は劣化する)が、レーザー光源は明るさを保つこともメリットです。
これだけを見ていると、レーザー光源の方が圧倒的に優れていると思われるかもしれません。
事実、レーザー光源の方がメンテナンス性に優れていると思いますが、たまに、レーザープロジェクターはメンテナンスフリーといった表現を目にしますが、それは光源に対してのメンテナンスであって、その他のパーツに関しては20000時間などの耐久性がある訳ではありません。
その辺は誤解のないようにしましょう。
また、ランプ光源のランプは自分でも交換できますが、レーザー光源のモジュール交換は、一般ユーザーでは難しいでしょう。
上の写真で、枠の線がみえますが、その部分を外してランプ交換をします。
このプロジェクターは上部から交換できるタイプです。
その他、側面からランプ交換するタイプもあります。
起動とシャットダウンの速さ
レーザー光源は起動、シャットダウンとも早いです。
電源をONにした瞬間、安定した光の供給が可能で、明るい映像が映し出されます。
感覚的にはテレビに近いかもしれません。
一方でランプ光源はランプが温まるまで明るい映像が映し出されること無く、少し時間を要します。
その時間として1分程度です。
1分間って大したことないと思われるかもしれませんが、毎回起動時に1分間待つのは長く感じます・・・。
シャットダウンに関しても、レーザー光源はシャットダウンが早く、電源を落としてすぐに持ち運びが可能です。
ランプ光源は冷却の必要がありますので、シャットダウン後、冷却するファンが回り始め、冷却中は持ち運ぶことはNGです。
冷却のファンが回り切った後に電源プラグを抜きます。(時間として1分程度でしょうか。)
シャットダウンして電源プラグをすぐに抜くことはNGです。
(最近は冷却のファンが回っている最中でも電源プラグを抜くことが可能な機種もあるようです。製品の取扱説明書などでご確認ください)
会議などで素早く起動させたい時など、レーザー光源が圧倒的に便利で、また、会議中にランプが切れるような心配も少ないでしょう。
プロジェクターの設置と投写に関して
レーザープロジェクターは縦型投写(ポートレート投写)も可能です。
イベント等で縦長の映像を映し出したい時など、レーザープロジェクターが活躍します。
多くの製品が360度、どの角度でも投写することができます。
天井から地面に向けた投写も可能です。
一方、ランプ光源のプロジェクターは縦型投写はできません。
原則、横向きで設置します。(天井からの吊下げは可能)
連続稼働性
レーザー光源は連続稼働が可能です。
イベントや催事などでプロジェクターの長時間連続稼働を行いたい場合は、レーザー光源のプロジェクターを選択しましょう。
サイネージ運用に最適なのがレーザー光源のプロジェクターです。
熱を持つランプ光源のプロジェクターでは連続可能の対応ができません。
価格面
ここまで記事を読んでみると、なんだかレーザー光源の方が優れているように思われるでしょう。
レーザー光源は光源寿命は長く、ランプ交換も不要で、基本的に光源はメンテナンスフリー、さらに連続稼働も可能で、フレキシブルな投写が可能と、メリットばかりのように思えます。
原色の発色も鮮やかです。
しかし、レーザー光源のプロジェクターでネックになるのが価格です。
ランプ光源のプロジェクターと比較して価格差は歴然。
高いんです・・・。
ランプ交換の部品代を考慮しても、どうなんでしょう。
連続稼働や上向きや下向き、縦置き等の投写の必要性が無いホームシアターユーザーなどの場合は、その機能性は不要となります。
よって、用途や自分好みの画質面でプロジェクターを選定することをおすすめします。
メリット、デメリットのまとめ
光源の違いによるメリット・デメリットを纏めると以下のようになります。
項目 | レーザー光源 | ランプ光源 |
起動の速さ | 〇 早い | × 時間を要す |
シャットダウンの速さ | 〇 早い | × 冷却のファンが回る |
フレキシブルな投写 | 〇 360度投写可能 | × 設置は限定的 |
光源寿命 | 〇 2万時間程度 | △ 3000時間~ |
光源メンテナンス | 〇 光源寿命が長く、光源のメンテナンスは不要 | × ランプ交換が必要 |
価格 | × ランプ光源に比べ高い | 〇 レーザー光源に比べ安価 |
まとめ
今回はプロジェクターの光源(レーザーorランプ)による違いについてご説明しました。
採用される光源に応じてメリット、デメリットがあります。
それらをしっかりと理解し、プロジェクターを使用する目的や用途にあわせて、プロジェクターを選ぶことが大切です。
イベント等で長時間運用が前提なのにランプ光源を選ぶと失敗しますよ。
プロジェクター選びの参考にしてください。