え!?超短焦点プロジェクターの落とし穴を知っていますか?
超短焦点プロジェクターは、わずか数十センチの距離から大画面を映し出すことができる革新的な機器です。
その便利さと省スペース設計から、近年では家庭用やビジネス用に人気が高まっています。
何と言っても演者の影が映り込まない点、これは大きな利点です。
しかし、この便利なプロジェクターには意外な落とし穴が潜んでいることをご存じでしょうか?
それは、投影先に使用する「スクリーン」にあります。
筆者のもとへプロジェクターのご相談も良く頂くのですが、超短焦点プロジェクターの特性を知らない人が多くいます。
そのまま超短焦点プロジェクターを使用していると大変なことになる!そう思いながらご相談に乗っています。
そういう意味でも、超短焦点プロジェクターの特性をしっかり理解頂き、綺麗な映像をお楽しみ頂くために、熱く解説したいと思います。
以前、「知らないと後悔!こんなはずじゃなかった!失敗しない超短焦点プロジェクター使用時のスクリーンを選ぶ際の注意点とは」で紹介していますが、写真が1枚しか紹介できていないので、説得力に欠けていると感じていました。
(いつか紹介したいなと・・・。)
今回は新たに映像を撮影し、分かりやすい写真を用いてもっと広く知って頂きたいと思います。
一般的なスクリーンの使用は要注意!
プロジェクターの投影には「一般的なスクリーン」が使われますよね。
ここでいう「一般的なスクリーン」とは、ホールや会議室、セミナールームなど天井に設置し、巻上式で使用するスクリーンです。
良くあるスクリーンとしてください。(一般的という抽象的な表現は使いたくないのですが・・・)
例えば、運転免許センターなどを思い出して頂ければ良いかもしれません。
普通のスクリーンです。(←念押し)
しかし、超短焦点プロジェクターの場合、この「一般的なスクリーン」が思わぬトラブルを引き起こします。
超短焦点プロジェクターは、広角レンズを使用し、極めて近距離から斜め方向に光を当てるため、スクリーン上に光のムラや歪みが発生しやすい状態です。
投影面のちょっとしたゆがみが映像に影響を与えます。
これにより、映像が歪んでしまったり、視認性が低下したりする現象が起きます。
実際の写真を見てみましょう
今回、私たちはその問題を具体的にお伝えするため、超短焦点プロジェクターを使用して「一般的なスクリーン」に投影した様子を撮影しました。
恐らく、普段スクリーンを見慣れていない方であれば、普通に平面性も高いスクリーンに見えます。
(※実際は設置環境が悪く、筆者からすると平面性はお世辞にも良いとは言えませんが・・・)
以下、超短焦点プロジェクターで投影した写真をご覧ください。
この写真からも分かる通り、スクリーンの凹凸に応じて、映像に歪みが生じています。
歪みにより影になっていることが分かると思います。
画面の横、上側は波打っているような形状です。
これでは、せっかくの高解像度映像も十分に楽しむことができません。
会議中に酔ってしまうかもしれません。
因みに、同じスクリーンを用いて、標準焦点のプロジェクターで投写すると、下の写真のようになります。
上の写真で、投影面のすぐ前にあるのが超短焦点プロジェクターです。
手前側にプロジェクターの上部カバーが写っているのが標準焦点プロジェクター(投影している)です。
焦点距離が大きく異なる事がお分かりいただけると思います。
映像の上部やサイド部が波打っていることはありません。
(このスクリーンの設置場所の影響で平面性は高くありませんので、じつは歪みが見えたりもしてますが・・・それでもピシッとしています。)
続いてエクセルを投影してみましょう。
ケイ線がシャープで概ねまっすぐ投影されています。
同じスクリーンを用いても、超短焦点プロジェクターと標準焦点プロジェクターで、こんなにも映像に違いが出ることをお分かりいただけると思います。
超短焦点プロジェクター専用スクリーンが必要な理由
この問題を解決するには、超短焦点プロジェクターに対応する平面性の高いスクリーンを使用する必要があります。
対応スクリーンは、超短焦点プロジェクターの光の特性を考慮して設計されており、高い平面性により映像が歪みません。
今回はスクリーンの宣伝ではありませんので、ご紹介は控えますが、世の中には超短焦点プロジェクターに対応するスクリーンが存在していることをぜひ知って頂きたいと思います。
不安な場合は購入するお店に超短焦点プロジェクターに投影しても歪まないかどうか確認しましょう。
なぜこの問題を知らない人が多いのか?
この事象について広く知られていない理由の一つは、購入される方が「スクリーンの選び方」まで考慮していないからだと思います。
プロジェクターを購入する際、多くの人は「映像が映せればどのスクリーンでもいいだろう」と考えがちです。
しかし実際には、プロジェクターの種類によって最適なスクリーンが異なります。
プロジェクターとスクリーンはピッチャーとキャッチャーに例えられます。
プロジェクターがピッチャー(投げる方)で、スクリーンはキャッチャー(受ける方)です。
投げる方にフォーカスが当たりがちですが、実は受けてのスクリーンもプロジェクターの特性を引き出し、ピッチャーが投げるスピード球を如何に心地よいミット音を鳴らすことができるかが、スクリーンの腕の見せ所でもあります。
心地よいミット音=映像美です。
スクリーンがもたらす映像への影響度は小さくありません。
だからこそ、スクリーンにも様々な特性があり、プロジェクターにマッチさせることで映像体験が大きく飛躍することを知ってもらいたいと思います。
まとめ
超短焦点プロジェクターは、正しい環境で使用すれば便利で使い勝手が良い映像体験を提供します。
しかし、スクリーン選びを間違えると、その性能を十分に引き出せないどころか、残念な結果を招いてしまいます。
ビジネスシーンのプレゼンやセミナーなどでは最高のクオリティを求めることも少ないでしょう。
そのようなケースで超短焦点プロジェクターを用いる場合、超短焦点プロジェクターに対応するスクリーンが無ければ平面の白い壁で良いでしょう。
超短焦点プロジェクターの落とし穴をより多くの方に知っていただくことで、購入者が失敗せずに最適な選択をできるようサポートしたいと考えています。
ぜひこの記事を参考に、スクリーン選びにも注目してみてください!
プロジェクタ―選びでご相談がありましたら、下記までお気軽どうぞ。