大きな会議室やカンファレンスルームで使用するスクリーンの選定ポイントとは

大会議室やホールでスクリーンをスクリーンを選定するポイント

何十人も一度に集まることができるような大きな会議室やカンファレンスルーム、講堂等では、スクリーンを設置するケースも多いでしょう。
ひとつの映像で会場に居る全員が一堂に情報を共有できるプロジェクタースクリーンはセミナー、講演、各種イベント等でも大活躍です。
ディスプレイでは200インチなどの映像は難しく、大きい映像演出にはスクリーンの出番です。

大きな会場でたくさんの人が一堂に会するような場所で使用するスクリーンの選定には、いくつかポイントがあります。
今回はスクリーン選びで大切なポイントに絞ってお話したいと思います。

スクリーン選びのポイント

大きな会議室やホールなどでスクリーンを採用する際のスクリーン選びのポイントを4つに絞って紹介したいと思います。
(もちろん、4つのポイントだけで決められる訳ではありませが、基本となるポイント4つをご紹介します)

1つ目が会場にマッチするスクリーンのサイズの考え方です。
2つ目がスクリーンの生地の選び方、そして3つ目が昇降操作方法、最後が防炎品です。
この4つに絞って解説したいと思います。

サイズ選び

まずはスクリーンサイズの考え方から解説します。

広い会場になればなるほど、どの程度のスクリーンが良いのか迷うところです。
会場の広さに加え、天井の高さも考慮しなければなりません。
小さすぎると後方の視聴者から見えにくくなりますし、またその逆も然り。

様々な要素が絡み合いますが、会場の広さからスクリーンのサイズ目安を選定する方法があります。
それは、会場の広さとスクリーンの横幅から、スクリーンサイズの目安を知ることができます。

スクリーンの横幅を「W」とし、スクリーンの位置から視聴者の最後部の位置を「A」とした場合、

A=4W

となります。

例えば、スクリーンから会場後方の視聴者の位置が20mとした場合、スクリーンの横幅は20÷4=5mと言うことになります。
横幅が5mと言うことは230インチ(16:10の場合)程度のスクリーンが目安となります。

このサイズの目安は後方の視聴位置でも11ポイントのテキストが読めるサイズ感です。
あくまで目安です。

参考記事「会議室やホール等、部屋の広さから最適なプロジェクタースクリーンサイズを決める方法」でも詳しく紹介していますので、ご覧ください。

サイズの選定がお分かり頂けたと思いますので、続いて、生地の種類についてお話します。

スクリーン生地の種類

スクリーン生地の顕微鏡写真(写真:広階調型スクリーン)

2つ目のスクリーン選定のポイントがスクリーン生地の種類です。
スクリーンには大きく分けて4つの種類があり、特長ごとに分類され、スクリーンの反射特性と言います。
広階調型、拡散型、回帰型、反射型の4つです。

各型の特長については、「プロジェクタースクリーン生地の4つの反射特性について、種別、特長、用途を分かりやすく解説」の記事に譲るとして、ここでは広い会議室などにおける生地選びのポイントをご紹介します。

広い会場ではスクリーン面に対して、視聴者は様々な角度から映像を見ることが多いと思います。
そのような場合は拡散型のスクリーンの1択です。

拡散型スクリーンの反射特性イメージ

拡散型スクリーンは字のごとく、光を拡散します。
プロジェクターから投写される光を全方向に拡散反射するため、視野角が広く、どの位置からも同質の映像を見ることができます
会議室等のビジネスシーンにおいては、拡散型のスクリーンが多く採用されるのはこの理由です。
勿論、コスト面や防炎製品と言った点もあります。

光の入射方向と同じ方向に光を反射する回帰型の場合、視野角が狭くなります。
ピークゲインは高くなり、スクリーン面の中央位置の視聴者はきれいな映像になりますが、スクリーンの端の方では映像が暗くなります。
そのため、拡散型のスクリーン生地は視野角が広いため、大きな会場会場で使用することに適しています。
会議室やカンファレンスルームに限らず、体育館やホールなど、広い会場では拡散型のスクリーンが望ましいでしょう。

昇降操作方法

ホールの大型スクリーン(電動)

最後に昇降操作です。

スクリーンには様々なタイプがあります。
収納できる巻き上げタイプや巻き下げタイプ、壁に貼り付ける額のような張込タイプ、他にはフロアスタンドなどもあります。
会議室やホール等では巻き上げ式を選ばれるケースが多いです。(巻き下げ式などもあり)

巻き上げ式の場合、サイズや天井の高さにもよりますが、手動タイプの選択肢があることも知っておきましょう。
手動タイプの場合、電気工事が必要ありません。
上の写真にあるような大きなホールでは電動式になります。
広い会場で天井が高い場合は、電動スクリーンとなります。(張込スクリーンのケースもあります)

電動タイプ、手動タイプでそれぞれメリット・デメリットがありますので、設置環境に応じて昇降操作も検討されるのが良いでしょう。

防炎品

不特定多数の人が出入りできる場所ではカーテン・絨毯等は「防炎物品」の仕様が義務付けられています。
スクリーン製品も該当します。
スクリーンが使用されるケースは不特定多数の人が出入りできる場所がほとんどです。
ましてや、今回の記事のような場所では、防炎物品である必要があります。

スクリーンを選ぶ際、防炎物品であるかどうかもチェックしましょう。

まとめ

大きな会議室にスクリーンを導入する際のスクリーン選びのポイントをご紹介しました。
設置場所によりスクリーン選定の条件も変わってきますが、今回取り挙げました4つのポイントはスクリーン選びのベースとなる部分です。(この4つのポイント以外にも製品コストや施工性などもありますが、最初に抑えておくべき4つのポイントをご紹介しました)
参考にして頂ければと思います。

最後に少し宣伝を!
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ホームシアターマガジン編集部