大型スクリーンの継ぎ目とは?継ぎ目は見えるの?プロジェクター映像の影響と実際の見え方
大型化が進む映像技術
近年は技術革新が進みテレビサイズが益々大きくなってます。
家電量販店に行くと、大きなテレビがズラ~~っと並びたくさんのお客さんで賑わっています。
自宅でも気軽に大画面でテレビや映画を見ることができるようになってきました。
一昔前まで40インチが主流だったのが、50インチ、60インチと、どんどん大きくなっています。
しかし、80インチ以上のテレビとなりますと搬入や設置とハードルがぐんと高くなります。
一方で、大型映像と言えば、テレビ以外にプロジェクタースクリーンがあります。
スクリーンは巻き取りができるので大画面を楽しむことのハードルが高くはありません。
その効果が発揮されるサイズは80インチからが効果的に良いとされています。
大きな部屋に大きなテレビは良いでしょうが、テレビと言う大きな物体が存在します。
その点、スクリーンは巻き取りにより、収納することが出来ますので、物体は存在しません。(収納してもスクリーンのケースは存在しますが・・・)
80インチ以上で効果的と言われるスクリーンですが、では、どれだけ大きくできるのでしょうか。
スクリーンは200インチや300インチ、またそれ以上の10mを超えるようなサイズも作ることができます。
そのような大きなスクリーンがどうやって作られるかと言いますと、継ぎ目と言う方法で作られています。
ジョイントとも言います。
今回は大型スクリーンを作る際に発生する継ぎ目についてご紹介します。
スクリーンの継ぎ目とは
それでは大型スクリーンを作る際の継ぎ目についてご紹介します。
スクリーンの原反について
スクリーンを作るには、スクリーン生地(幕目)とよばれるプロジェクターの光源を反射する特殊な加工を施した材料を用い、大小さまざまな画面サイズを製造します。
ちなみに、16:9アスペクトでは80インチの画面で1.77m×1mとなり、100インチで2.15m×1.25mとなります。
(参考記事)プロジェクタースクリーンのサイズ一覧表
この幕面材料は着物やカーテンを仕立てる反物の様に、ロール状に加工された薄い幕を仕立てて製品になります。
もちろん反物ですので、原反サイズには限りがあります。
製品にもよりますが、幅2.0mの反物を引き出してスクリーン生地としています。
縫製の方法は?
原反が2.0mですので縦方向が2.0mを超える製品はどの様に製造されるのでしょうか?
洋服や着物、カーテンの様に縫い合わせ縫製ができれば大きくできることはご存じの通りです。
しかし、一般的なスクリーンはPVC(ポリ塩化ビニル)でできていますので縫い合わせはできません。
縫い合わせが出来ないスクリーンをどうやって接合させるかですが、大きくする方法は特殊な設備を使いスクリーン生地を接合します。
下の図のような方法で原反以上の大きさを作ります。
このように継ぎ目をすることで10mを超えるようなスクリーンも作ることができます。
気になる継ぎ目部分の映像の見え方
それでは、接合した部分はどのようにみえるのでしょうか?
継ぎ目ですので、映像が気になるところです。
線が入っているようでは映像への没入感も減衰しますし、見ていて残念です。
因みにテレビは勿論接合できませんので、より大きな画面にするにはテレビを複数台使用し、マルチ化する方法で大きくできます。
たた、テレビにはベゼルといって四方枠がありますのでどうしても枠に映像がけられます。
これがテレビの場合は継ぎ目になるのでしょう。
マルチ画面ではベゼルによって映像がセパレートされてしまいます。
さて、話は戻って、スクリーンはどうでしょう?
スクリーンは特殊な加工方法で接合しています。
プロジェクターで投射した場合にその接合部分が認識できない様に加工しており、スクリーンメーカーがこんな事を言いますと嘘くさく聞こえちゃいそうですが、この技術は本当に素晴らしく、映像ではほとんどわかりません。
しかも大きなスクリーン程、遠くから見ることになり、継ぎ目が分かることはないでしょう。
接合部分がみえなくなる理由はスクリーン反射面の特性が拡散系の反射特性をもっていることで、接合した部分もその特性のおかげで接合部が見えにくくなります。
それでは実際に継ぎ目があるスクリーンの映像を見てみましょう。
下の写真です、継ぎ目のスクリーンの映像です。
横に1本継ぎ目が入っていますが、どこにあるか分からないと思います。
写真を撮った位置はスクリーンのすぐ近くです。
近くでみても分かりません。
もちろん、映像を映していない状態ですと、継ぎ目がどこにあるか分かりますが、スクリーンは映像を見るためのものですので、映像を投写時に見えないことが重要になります。
上の映像のスクリーンの継ぎ目は下のスクリーン(実物)です。
まとめ
今回は大型スクリーン製造時の継ぎ目について解説しました。
大きなスクリーンを作る際は、スクリーン生地の原反をつなぎ合わせて作ります。
その際に発生するのが継ぎ目ですが、継ぎ目は特殊な継ぎ加工により施され、映像投影時にはほとんど分かりません。
ただし、確かな継ぎ目の技術があるスクリーンメーカーを選ぶようにしましょう。
映像投影時に継ぎ目が見える様なスクリーンでは残念な映像になりますので・・・。
その点、オーエスなら安心です!(ちょっとだけ宣伝を)